転職を検討するきっかけは主に3つ。前向きな転職とそうでない転職とは?

  • URLをコピーしました!

転職を検討するきっかけはたくさんあります。その理由として多いのは「人間関係」「給料」「労働環境」です。このうち、人間関係は良好で、残業がなく有給も取れる。しかし、やりがいがなく、賃金が低いことで転職をしたという方もいます。仕事上で自分の望みを全て叶えるのは大変難しいことですが、自分にとって何を重視し、そのために何を犠牲にできるかの基準を設けておくことは重要です。

結論として、職場に不満・悩みがある方は転職をしてもしなくても転職活動はしておくことをおすすめします。転職活動を通して、市場の様々な情報を知ること・自分の市場価値を知ることは、現状が変わるきっかけになるからです。今の会社に対してポジティブな見方になることもあれば、思ってもみなかったような好条件の企業に出会えたりもします。

今回は、転職を検討する理由として多い「人間関係」「給料」「労働環境」について解説します。当てはまる項目を読んで、自身の現状把握、判断の後押しに役立てれば嬉しいです。

目次

人間関係が転職のきっかけとなる場合

社会生活をする上では、家族でも恋人でも、友達間でも人間関係の問題は発生します。そのことを前提とすれば、やはり、職場でも様々な問題が発生します。上司や同僚との関係が上手くいかず、転職を考えることは十分に起こり得ます。しかし、それだけが理由で、すぐに転職を考えることはおすすめしません。なぜなら、冒頭でもお話ししたように、人間関係の問題は生きている限り発生するものだからです。ここでは、「人間関係が理由で転職をした方がいい場合と、そうでない場合」について紹介します。また、「転職前に職場の人間関係を見極める方法」も紹介します

上司が嫌いという理由は転職を慎重に考える

上司や同僚が嫌いで辞めたいという場合は、転職を慎重に考えることをおすすめします。転職したとしても状況が好転するとは限らず、感情は一時的な場合も多いからです。また、職場では人の入れ替わりも起こります。しかし、毎日、人間性が合わない上司や同僚と仕事をするのは辛いものです。ずっと我慢すべきでもありません。部署移動など、転職以外の方法もあるということを念頭において、転職に必要な労力、転職先での新たな人間関係構築の労力なども熟慮した上で、転職活動を始めることをおすすめします。

また、以下のようなことが嫌な感情の原因となっているのであれば、自分自身で対処できる可能性があります。「大転職時代」「転職2.0」と言われていますが、転職は結構な労力が必要となります。基本的に、転職はキャリアアップを目指した前向きなものと考えておきましょう。

上司の指示方法に問題がある
→指示がいつも曖昧
→上司間で指示がバラバラ


曖昧な指示を受けた場合は、内容を文章にまとめて解釈に問題ないかを確認します。上司によって指示が異なる場合は、自分が正しいと思う方法を根拠を持って実行します。

人間性が合わない
→虚勢をはる
→自慢が多い
→自己保身的態度
→自己中心的

人間はみな自己保身・自己中心・高慢な性質を持つ動物と言われています。相手の持つ性質が自分と対極な場合は人間関係が良好になりづらく、一緒にいるだけでストレスが溜まることもあります。しかし、他人を変えるのはほぼ不可能に近いため、自分が進化した方が圧倒的に解決が早いです。

受け流せるメンタルを養うことは、人間関係を攻略する上で大変有効です。どこに行っても人間関係で悩むことが少なくなる一生のスキルだからです。しかし、大変長い時間と労力が必要です。なので、異動の時期が近ければそれを待ったり、部署移動の相談をしたりしましょう。どうしても我慢できない場合は、転職先の情報収集をしっかりしてから、転職をすることもなしではありません。また、実際に転職をしなくても、転職活動を始めること自体には大きな意義があります。

一部の上司がパワハラ気質は転職を検討

一部の同僚や上司がパワハラ気質の場合は、人事・管理部に証拠を持って連絡し、部署移動をすることで解決できる場合があります。最近では、自分がパワハラの対象でなくとも、そういう人がいるという雰囲気自体に疲れるという方もいます。この場合も、部署移動をするなどで解決できることがあります。主に中小企業などで、人事・管理部とスムーズな連携が取れない場合は、積極的な検討の対象になり得ます。

業務態度に問題がある
→こちらの話を聞いてくれない
→自分のやり方を押し付けてくる
→理不尽で高圧的
→感情的な態度をとられる
→仕事を丸投げする

会社の風土がパワハラ気質は即転職

会社の風土全体がパワハラ気質な場合は、即転職することをおすすめします。なぜなら、そのような企業は改善の見込みが少ないからです。また、身体・精神への暴力行為、セクハラ、プライバシーの侵害、長時間労働などの過大要求や強要がある場合も即転職することをおすすめします。

転職前の見極めは徹底した情報収集が大切

人間関係が理由で転職する場合は、人間関係が良好な企業へ入社することで成功となります。しかし、入社前にリアルな職場の実態を知るのは難易度が高いです。人材が欲しい企業は、職場環境が良いなどの嘘をつくことがあるからです。

職場の実態をできるだけ把握したい場合は、社員口コミが読める転職サイト、社員訪問サービスや転職エージェントなどを利用しましょう。また、同業種・同業界で転職を検討している場合は、知人から実際に働いている社員を紹介してもらうこともおすすめです。

人間関係が良好な企業かどうかを見極めるポイントは、従業員規模です。会社の規模が大きくなると従業員の分業体制が確立されやすくなります。それくらい人材に余裕があるということは、会社全体の余裕にも繋がるからです。

残業時間が転職のきっかけとなる場合

仕事ではどうしても残業は発生します。しかし、給料やスキルアップよりも、人生全体を通した自己実現を目指したいという方や、労働環境が劣悪な場合は転職をおすすめします。また、現代では平均残業時間は24時間と言われています※1。また、厚生労働省の調査では13.2時間です※2。調査方法によってばらつきはありますが、つまり、残業時間40時間は残業が多いと規定してもいいかもしれませんし、それが世論であり、習慣となっているのです。残業が多いこと自体が悪いことではありません。仕事を思いっきりやりたい時期というのもあるからです。しかし、現在の自分が大切にしていることは、仕事だけでないという場合や、そう価値観が変わった場合、余裕を持った働き方ができる企業に転職することは間違いではありません。

※1 OpenWork. “OpenWork 残業と有休 10年の変化”. 働きがい研究所. 2023-12-16, https://www.openwork.jp/hatarakigai/vol_91(参照 : 2023-11-06)

※2 毎月勤労統計調査 令和3年分結果速報. 厚生労働省. 2022-02-08, p1, https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r03/21cp/dl/pdf21cp.pdf, (参照:2023-11-06)

スキル・給料アップと残業時間削減を両立したい方は慎重に考える


スキルアップ・給料アップと、残業時間削減の両立を目指している場合は、転職を慎重に考えることをおすすめします。残業時間が減ると、その分給料は少なくなる傾向にあります。また、未経験からでも就業時間内に終われる仕事は、単純労働の場合も多いです。転職活動中に残業時間「0」を強調している企業があれば、スキルアップ・給料アップは目指しにくく、場合によってはやりがいも少ないと考えるべきです。仮に残業時間が減って、年収が上がったとしても、長期的な自身の市場価値向上、それに付随する年収の増加は見込めない可能性があります。仕事の残業・拘束時間を減らして、プライベートでスキルアップを目指すという場合は転職を考えてもいいかもしれません。その場合も、給料は少なくなる可能性は念頭に入れておきましょう。

何よりもプライベートを重視したい方は転職

給料やスキルアップよりもプライベートを重視したいという方は、転職をおすすめします。現代では、仕事を通した自己実現だけでなく、人生全体を通した自己実現を目指したいという方が多いからです。そのための手段の1つとして、仕事があるのだと考えれば、残業時間・拘束時間の短い企業に転職することは間違ったことではありません。

価値観や環境が変わった方は転職

結婚などで周囲の環境が変わった、体調面での変化があった、仕事への価値観が変わったという方は、転職をおすすめします。特に、仕事に対する価値観が変わることは珍しいことではありません。20代は仕事を思いっきりやりたい時期だったが、ライフステージが進んだことで重視するものが変わったという場合もあります。

現在は残業24時間が平均と言われています。調査方法によってばらつきはありますが、現代社会では、残業時間40時間というのは残業が多いと規定してもいいかもしれません。つまり世の中の価値観が変わったということです。

労働環境が劣悪な場合は即転職

残業時間が一般的な水準より大幅に多い、繁忙期だけでなく平均的に多い、サービス残業が多いという場合は、即転職することをおすすめします。先ほども紹介したように、残業時間が多いこと自体は悪いことではありません。人生には仕事を思いっきりしたいと考える時期もあるからです。しかし、残業時間が支給されないのは違法です。また、仕事によって肉体的、精神的に不調がある場合、原因不明の体調不良がある場合は仕事に対する考え方を見直した方が良いこともあります。

人間が感じるストレスの中で大部分を占めるのは心理的・社会的ストレッサーによるものです。心理的ストレッサーとは、人間関係や仕事上の問題、家庭の問題が原因で感じるストレスのことを言います。時間や課題、ノルマなどによる切迫感も含まれます。「仕事」は世間が感じる1番のストレスと言われることも少なくありません。原因不明の体調不良がある場合、仕事への考え方を見直したり、思い切って転職などで環境を変えることも大切です。

給与面が転職のきっかけとなる場合

日本の平均給与額は458万円です。雇用形態別では正社員の平均給与額は523万円、正社員以外が201万円となります※4。今の年収が平均よりも低い、仕事に対する報酬に不満がある場合は転職を考えるきっかけに十分なり得ます。しかし、後述の通り、異業界・異業種への転職で年収をアップさせたい場合は、その代わりに業務・残業が増えます。また、【転職2.0】時代においては、目先の増収と、長期的な市場価値向上の関係を熟慮する必要があります。単純に年収を上げたいのであれば、現在の職場で昇進を目指すのも方法です。忙しくなっても、新しいことにチャレンジをして年収を上げたい、仕事を通してリスキリングしたい場合は、転職を前向きに検討してみてもいいかもしれません。

平均給与額
男女平均 458万円
男性 563万円
女性 314万円
正社員の場合
男女平均 523万円 
男性 584万円
女性 407万円
正社員以外の場合
男女平均 201万円
男性 270万円
女性 166万円

※4 令和4年賃金構造基本統計調査の概況. 厚生労働省. 2023-03-17, p15, https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/dl/13.pdf, (参照:2023-11-06)

未経験から年収アップしたい方は転職を慎重に考える

異業界・異業種への転職で年収をアップさせたい方は慎重に考えることをおすすめします。一般的に年収アップの理由として多いのは自分のスキルや経験が違う企業で再評価されることです。未経験での転職でも年収を上げられることはありますが、多くの場合、業務や残業が増えます。単純に年収を上げたいのであれば、現在の職場で昇進を目指すのも方法です。しかし、新しいことにチャレンジしたい、仕事を通してリスキリングしたい場合は転職を前向きに検討してみてもいいかもしれません。

年収アップのステップ
①どれくらい年収を上げたいか考える
②自分のスキルや経験を具体的に書き出す
③市場が求めているスキルを知る
④市場価値を第三者から評価してもらう
⑤自分のスキルと需要を照らし合わせて転職先を絞る

20代で年収アップしたい方は転職

20代は転職で年収が上がりやすい層と言われています。日本はまだまだ年功序列の習慣があります。仕事を頑張ってスキルを上げても、年齢が上がらないと昇進しずらいこともあります。特に20代ではそれが顕著です。違う企業で自分のスキルや経験が再評価されることで年収が上がる可能性は十分にあります。

また、今の年収が400万円未満であれば、転職で年収がアップする可能性が高くなります。スキルや経験が転職先にマッチしている場合、その可能性はさらに高くなります。

転職で年収を上げるためには、戦略的な転職活動が必要です。具体的には、自分の市場価値を把握し、その価値が評価される企業を選ぶことです。また、希望条件を絞りすぎない。年収を一気にあげようとしない。なども転職を成功させるポイントです。まずは年収2〜3割アップまでを目指して戦略的に転職活動をしましょう。

職場に不満・悩みがある方は転職しなくても転職活動をする

転職を検討するきっかけとして「人間関係」「給料」「労働環境」「やりがい」「スキルアップ」があること、その内、どのような場合は前向きに転職を検討して、どのような場合はそうでないかを紹介しました。どのような理由にしても、転職を検討しているのであれば、実際に転職をしてもしなくても転職活動はするべきです。なぜなら、転職活動を通して市場の様々な情報・自分の市場価値を知ることができるからです。その結果、今の会社に対してポジティブな見方になることもあれば、好条件の企業に出会えたりもします。

戦略的に転職したい場合は転職サイトやエージェントを利用する

転職を成功させるためには、転職サイトやエージェントを利用することをおすすめします。なぜなら、転職サイトは求人数が多く、転職エージェントは転職支援のプロだからです。転職は結構な労力が必要となり、成功には戦略的な転職活動が必須です。例えば、人間関係で転職をしたい場合は、転職前に職場の実態をできるだけ把握しなければいけません。その場合、求人票や企業の雰囲気を適切に読み解くことが必要です。年収を上げたければ、自分の市場価値を把握し、その価値が適切に評価される企業を選ぶべきです。また、どのような業界で年収が上がりやすいかを知ることも必要です。

求人の母数を上げる、転職のノウハウを知る、転職活動を効率化するために、転職サイトやエージェントを利用をおすすめします。また、自分の希望を具体的にすればするほど、転職サイトやエージェントとの連携がスムーズになります。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次